今日は4月20日…暦では暖かい陽射しが射す、快適な春の季節。

 

しかし……今の様子はどうだろう。

が窓から見た景色は…滴が線を引きながら空から降っていた。

空は快適な青空なんかではなく、黒い雲で埋め尽くしされていた。

確かに今日は雨が降るだろうと天気予報ですらも予測していた。

 

とはいえ、何で……部活の最中に降っちゃうのかなぁ?

部員みんなすぶ濡れで速球に中止し、すぐ様に部室に戻ったけど…手遅れなんだよね。

 

「ヘックシ!」

「ぶぇ…くしょん!」

みんなくしゃみばかりしてる…寒そうだなぁ。

着替えても、やはり冷えた体は温めにくいのだろうか?

 

そこでちらっとある男を見る。

その人は何もなかったのかのように、平然と近くに行われる試合の準備をしていた。

「……景吾、寒くないの?」

「あーん?寒いわけねぇだろ、俺はそんなにやわじゃねぇ。」

「…本当に寒くないの?」

「大丈夫だと言ったら大丈夫なんだよ心配するな、。」

景吾はそう言ったが、小さくくしゃみするのを聞き逃さなかった。

やはり寒いんじゃない。その証明として、今ジャージを取りに行ってるし。

 

……どうやって冷え切った景吾を温めてあげようか?

タオルはもう全部使っちゃったし…暖房は使えないし…どうしよう?

ふとあることが思い浮かぶ。

うん…こうしたら温まるかなぁ?やってみないと分からないよね。

実行に移したは景吾の元に行く。

 

「景吾、景吾!温まる方法考えたからやっていい?」

「ちょっと待…」

「いいから!!」

 

は返事を聞く間もなく、いきなり景吾を抱きしめた。

 

「おまっ…!何すんだ!?」

「何をすんだ、って…さっき言ったでしょ、温まる方法を考えたって。

 こうすれば景吾温まると思ったけど…まだ寒い?」

「ばっ…お前が冷えてしまうだろ!」

「私はいいの、景吾を温めたいから。どうなの?」

見上げたところ、景吾の耳や顔が赤くなってるのが分かった。

そうなったのは温まったからなのだろうか?

「景吾、温まったなr「こっちを見るんじゃねぇよ。」

頭を胸に押し付けられ、景吾も抱きしめてくれる。

 

………何だろ、こっちまで温かくなった。

体だけでなく…心もポカポカしてくる。

景吾もそう感じているかな…うん、絶対に感じてる筈だよね。

 

「景吾、どう?」

「まだまだ寒いな。」

俺様な景吾の声が嬉しそうだったのは気のせいでしょうか。

 

「ねね、寒い日にはこうやって温まろうね!」

「…ああ。」

景吾がこっそり、理性保てるかどうか心配になっていたのは言うまでもない。

 

 

 

寒い日にはぬくもりを

分かち合って。

(  『  抱  き  し  め  る  』  、  そ  れ  は  互  い  の  心  も  身  体  も  温  ま  る  魔  法  )

 

 

 

「二人とも…僕らを忘れてへん?」

「その通りだと思いますよ。」

「……激はずぃ。」

「くそくそ、他でやれミソ!」

「ほっとけばいいだろう。」

「全く…どうしようもないカップルだね。」

「ラブラブだC!」

「………ウス。」

忘れられた部員は邪魔にならないようにそっと立ち去ったとか。

 

 

 

お題配布元:追憶の宛

作品提出:silent star

 

素敵な参加に参加させていただき誠にありがとうございます!

天然ヒロインはやはり強いです。