ずっと捕まえて欲しい





『テニス部合同学園祭』を、青学メンバーと一緒に過ごしたは、学園祭で不二を好きになり、そして・・・不二もの事を好きになり、両思いになり、付き合い始めた。


いつも優しい眼差しで、を見る不二。
いつも優しい言葉でに語り掛けてくれる不二。
いつも優しくをからかう不二。


は、毎日がとても幸せであった。



しかし、忘れていたのは、不二が3年生である事。
無意識に考えたくなかったのかもしれない・・・。


『卒業』。



「はぁ・・・。」は溜め息を付いた。

「どうしたの? 元気ないね。」不二がに声を掛けた。

「いえ・・・その・・・。卒業式、もうすぐ始まりますね。」
「・・・うん。そうだね。」


「今までの様に会えないと思うと・・・。」が涙ぐんだ。
「僕は今までと変らず、に会えると思ってるけど?」
「え?」


「同じ敷地内にあるんだから、会おうと思えばいつでも、だよ? が会いたいって想ってくれるなら。」不二がにそっとキスをした。
「う〜〜、いつでも会いたいです〜〜っ。」が大粒の涙を流し始めた。


「そんな可愛い顔しないで? ライバルが増えるから。」不二がクスクス笑いながら、の涙を指で拭った。
「は?」
自身は気が付いていたかどうかは分からないけれど、結構評判良いんだよ?」

「私が・・・ですか?」がキョトンとした。


「そ。だから心配なんだよ? 他の人を好きになっちゃったら、って。」
「そんな事、絶対にないです!! 周助さんだから、好きになったんです!!」が叫んだ。

「くすくすくす・・・嬉しいよ。ちなみに、僕のどこが好き?」不二がにっこりとして聞いた。

「えっ!」が顔を赤くした。
「言ってくれると、嬉しいな♪」の逃げ場を奪う不二。

「そ、それは、・・・えーと・・・優しいし、一緒にて楽しいし、勉強も教えてくれるし・・・それからそれから・・・。」いざ考えると、なかなか出て来ない言葉達。の頭の中は、グルグル状態であった。


「くすくす、ほんと可愛い♪ 記念に」不二は鞄からカメラを取り出し、パシャッと一枚。

「きゃ〜〜〜っ! 周助さ〜〜ん! 変な顔撮らないで下さいよ〜〜!!!」がカメラを奪おうとした。
「中学最後の写真は、にしようと決めてたんだよ?」
「え・・・。」は又しても顔を赤くした。


 

卒業式が終わった。



!!」見知らぬ男子がに声を掛けた。どうやら3年生らしい。

校舎裏。


「その・・・実は・・・君の事が好きで・・・。俺はこれで卒業だけど、・・・付き合ってくれないか?」


告白!?


「駄目かな?」照れながら聞いてくる3年生。

「・・・ごめんなさい・・・。私には・・・その好きな人がいるので・・・。」

「もしかして・・・不二?」
「!!」が反応した。
「でも、あいつは・・・どの女子にも優しいし、特定な人は居ないんじゃないと思う。俺は、君の事だけを好きだから!」その男子がの肩をぐっと掴んだ。



「僕の彼女、離してくれない?」不二が現れた。


「し、周助さん!?」驚く


「『僕の彼女』だって?」男子がひるんだ。その隙に、はその男子から離れ、不二の元へと行った。

「マジ? 本当に付き合ってるのか?!」
「そうだよ。」不二は天使の笑顔で答えた。


「ふう、ほらね?」不二がをぎゅっと抱き締めた。

 「これから僕の目のない所で、こんな状況があるかと思うと・・・辛いな。」不二はにキスをした。

「周助さん! 怖かった〜!」が不二に抱き付いた。
「もう大丈夫だよ。」
「王子様が登場したからですか?」
「そう。僕は君だけの王子様だよ。」再び、不二がにキスをした。


「周助さん・・・ずっと・・・私だけを捕まえていてくれますか?」
「勿論だよ。って言うか、放すはすがないだろう? こんなにも君が好きなのに。」



「嬉しいです。」にっこりと笑みで応える

パシャ

「あ・・・・」
「可愛い笑顔ゲット〜♪ なんてね♪」


「周助さん!!」
「ゴメンゴメン♪」


「そうだ、今度の日曜日、僕の家に来ないかい? 姉さんがパイを焼くんだよ。一緒にティータイムしないかい?」

「はい♪」




桜の花びらが舞う、卒業式であった。