ルドルフに越してきて数週間。
ようやくこっちの生活に慣れた。
前の学校では嫌な思いをしていた。
そのせいか、学校に行くのはずっと嫌だった。
あの学校から離れられるのはよかったけど、
またこんな思いをするのだけは嫌だった。
けど、こっちの学校は皆優しい。
虐めとか、そんなの全然無くて・・・・。
どんな人と一緒にいても、皆差別したり冷たい目で見たりしない。
それが、此処に来て素直に嬉しいと思えたこと。
此処になれちゃうと、前の学校が変なんだ、って思えてくる。
思い切って転校して良かったなぁ・・・・・って思ってるよ。
「よし・・・・。」
特に意味も無く、私は日記にそう書いた。
その思いは本当なのだけれど、何で書いたのかは分からない。
「こんなの誰かに見られたら恥ずかしいなぁー。」
そんなことを呟いて、私は一人苦笑いをした。
「そろそろ行かなきゃ。」
私は日記を机にしまって部屋を出た。
「おはよう。。」
私は一人で歩いてると、後ろから同じ部で彼氏の木更津淳が声をかけてきた。
「あ・・・・おはよう。」
私は彼に救われた。
だから、言葉では言い表せないほど感謝してる。
それと同等の愛情もある。
こんなに人を好きになったのは、彼が初めてだと思う。
「今日も絶好のテニス日和だね。」
「うん。」
彼はいつも笑ってる。様な気がする。
淳は優しくて、いつも傍にいてくれる。
私にとっては、どんな「天才」なんかより完璧な人。
ルックスだけじゃなくて頭もいいし、運動神経もいい。
そして、いつも私を照らしてくれる。
まだ数週間しか一緒にいないけど、心から安心できる存在。
そんなことをボーっ・・・・っと思っていたら頭を軽く小突かれた。
「何ボーっとしてるの?」
そういって、また淳は笑っていた。
「私、ここに越してきて良かったかも。」
そういって淳の方を向いたら淳と目が合った。
「くすっ、僕も、が来てくれて良かったよ。」
そう、淳が言ったあと、いつもの様に頭を撫でられた。
その動作は、子供っぽく見られてるのかもしれないけど、
やっぱり安心できるもので―――。
嬉しいな、なんて素直に思ってしまう。
貴方は、私を照らしている光です。
同じように、私も貴方を照らしたい。
世界を照らす、眩い光
―――――――――――――――
silent starさまに参加しました。ありがとうございます。
淳が偽者ですね。すいません。
最後まで読んでくださり有難うございました。