とん、とあなたの胸に額をあてて。私は好き、と呟いた。
あなたは顔を真っ赤にさせて、少し顔をそらしているから可愛い。
普段はそんな表情見せないのにね。彼女の特権。
「亮は本当に照れ屋で・・・テニスやってるときと全然違う」
「っな!んなことねーよ!いつもと変わんねえし・・・」
「だって、テニスやってるときは、こんなに真っ赤にならないけど?」
そう言うと耳の方まで真っ赤に染めてくれた。
いつもはやんちゃな亮が、私の前ではこんなに可愛くなるなんてね。
本当に愛しくて、愛しくて、たまらないくらい・・・スキ。
「私はね・・・亮が彼氏で良かったなって、心から思うよ」
「そんなこと・・・・・・当たり前じゃんかよっ・・・」
私の背中にまわした亮の手に少しだけ力が加わる。
ぎゅっと私も亮の背中に腕をまわして、そして上目遣いで亮を見た。
すると近づいてくる亮の顔。触れた唇がくすぐったい。
「亮を独占できる日が来るなんて思ってなかった・・・」
俺も。という声が頭の上から落ちてくる。
きっと亮も私と同じ気持ちだったんだろうなって思うと嬉しい。
ただ、遠くからあなたを見つめていた独りだった、あの日の私。
ただ、がむしゃらにコートを駆け回っていた、あの日の亮。
そしてお互い愛し合っている、今日の私達。
「もしかしたらよ・・・運命じゃねぇのかな・・・・・・俺たち」
「だったら、ずっと・・・ずーっと一緒にいよう・・・ね」
「ああ・・・から離れたりするもんかよ・・・・・・おかしくなっちまう」
どうしようもないくらいあなたがスキで、スキでたまらない。
私だって、あなたから離れたらおかしくなっちゃうよ。本当にスキ。
桜が舞う空の下、私たちは今日も恋をしています。
離れたりしない
〜 written by 関エリ子
私らしくない甘い感じになってしまいました。企画楽しかったです。未菜様ありがとうございました。