「なーなー宍戸ってに告白したのか?」


ゴフウッ

屋上になんともいえない音が響き渡った。























「はあ!?何言って・・・!」

からから笑っている向日にあれだこれだと説明を試みる。
今の俺の顔はきっと真っ赤だ。
女のことであたふたとやっている姿は滑稽すぎる。・・・激ダサだぜ。
向日はそんな俺に爆弾を落としていった。

「長太郎が言ってたぞ!」

長太郎!?
キッと睨みつけると目を逸らす後輩。あからさますぎだ。
横でニヤニヤ笑っている奴等は本当にウザイ。黙れよ。

俺、もう諦めた。俺は関係ねえ。
アレは俺の知り合いでも何でもねぇ。ただの知らない変人共だ。
いつまで待っても止まらないアイツ等にそう割り切った。
や、アイツ等には悪い気はするがいい案じゃね?
つか、いつのまにか固まって話し合っている。
急に肩に手を置かれ振り返れば無駄に笑顔な跡部。
嫌な予感が頭をよぎり俺の脳は一時停止。いやいやいや。まさか。まさか、な。


「しょうがねえ。俺様達がお前の恋の手助けをしてやる。」

ちょっとまてー!!!!






*






今日は宍戸君達がすごく楽しそうだった。
普段テニスの話しかしない彼等が違う話をしてたらしい。
(男子が言ってた。)(でも、何で私を見てニヤニヤするのかな?おかしくない?)
男子テニス部の人って妙に落ち着きがあって大人っぽい人たちだけど(なんというかこう諦め?を含んだ目をしてるときがあるの)、
今日みたいにやっているときは年相応に見える。良いよね、ああいうの。羨ましい。
に言ったら呆れたような視線をプレゼントされたけど、本当にいいなって思う。宍戸君と愉快な仲間達!

「宍戸宍戸って、、宍戸のこと好きなんじゃないのー?」

「ふぇ!?ち、違うってー!」

「・・・ま、そういうことにしてあげるわ」

どう弁解しようが意味がないのは親友をやってきてわかっているつもりだ。
・・・宍戸君、ねえ?深く考えることもなかったな。
まあ、これからも関係ないと思うし、考えるのは放棄、放棄!

「あ、次、移動教室よ!行くよー!」

「うん!」

先に出たを走って追いかける。
ちょうど先生も通っていなかった。ラッキー。


「だからーっ、手伝ってやるって!な!」

「いや、要らねーし。」

「それじゃあ、自分動かないやろ?」

「だからっ!!違うし!好きじゃねえし!!余計なお世話だ!!」

「まあまあ」

「止めるな長太郎!!」


すれ違った宍戸君がちょっと困ったように、でも楽しそうに話してた。
なんとなく振り返って見ると笑っててなんか嬉しくなった。

ー、早くー!!」

「あっ、はーい!ちょっと待ってー!」






好きとか嫌いとか
  そういうことじゃなくて


(ただ目で追ってしまう存在なだけ)






silent star様へ提出。
好きと気づくまでの長すぎる距離。