例えば、 毎日私たちを照らす太陽のようで、 例えば、 どこまでも続く広大な海のような、 そんな感情を恋と呼ぶのなら、 私は貴方に恋をしているのでしょう。 貴方は私にとって、 暖かくて大きな存在なのです。 「よう、」 私を見かけると、 貴方は毎回、片手を挙げてその整った顔に笑みを浮かべます。 「俺、お前のその表情キライ」 私の無表情を見て、そう言います。 (笑うことなど無いに等しいのに) 「は、笑ってる方がいいぜ」 そう言って笑う貴方は、とても眩しいのです。 「丸井くんは、どうしていつも笑顔なの」 一度だけ聞いたことがありました。 私のつたない問いかけに、貴方はまた笑って答えたのです。 「笑ってるとさ、楽しくなるだろぃ」 その笑顔で、なんだか、どうしようもなく暖かい気持ちになりました。 「俺はさ、負けられねぇんだ」 貴方は時々、私に弱音を吐きます。 (何故、私に言うのかはわからないけれど) 「ちょっとだけ、頼む」 そう言って、私を突然優しく抱き締めたこともありました。 「俺、のこと、好きだぜぃ」 顔を自身の髪のように真っ赤に染めて、私の顔を見ずに貴方は言いました。 (とても、とても嬉しかった) 「俺、の為に勝つから!見てろよ!」 そう言ってくれた時は、貴方は絶対に負けません。 「今回は、俺、かわいい後輩の為だから」 全国大会の準決勝後、少し悪戯な笑顔で言っていました。 「試合には負けたけど、勝負には勝ったんだぜ」 その後、ずっと手を繋いで帰りました。 (とても、震えていたのを憶えています) 「会いたい」 たった一言、メールしてきたこともありました。 「は、俺のこと好き・・・?」 ある日突然、不安な表情で貴方は言いました。 「す、好き・・です」 面と向かって言うのが恥ずかしくて、少しどもってしまったけれど、 「俺、嫌われたかと思った・・・っ」 そう言って頭を抱えてしゃがみこむ貴方を見て、 不安にさせてしまっていたのだ と、気付きました。 「私、あまり上手く感情表現できないから・・・」 しゃがみこむ貴方の隣にしゃがんで、 「上手く笑えないけれど、丸井くんといると、心が安らぐの」 本当だよ そう言えば、 「・・・――っ俺!と一生一緒にいる!」 勢いよく立ち上がった貴方は、 私の一生の宝物です。 「パパは、昔からずっと笑顔が素敵なひとだったのよ」 「ママはー?」 「ママ・・・?」 「ママはな、昔からずっと、パパの――・・・」 恋しいひと そう言ってくれる貴方の隣だから、私は笑っていられます。 ------------------------------------------------------------------------ silent star様 素敵な企画に参加させていただき、ありがとうございました! 不器用なヒロインと、包み込むブン太 そんな関係の二人 '09/04/05 桐夜 凪 ------------------------------------------------------------------------ |