雨がしとしと降り続ける冬。いくら関東にあるからと言ってこの寒さをなめるもんじゃない。外に一歩でただけでコートとマフラーは必須だ。本当は今日外でデートするつもりだったが寒さのあまり、あたしは我侭を言って不二の家に遊びにきてしまった。
未だに鞄の中に入ってる遊園地の無料券。期限今日までだったんだっけ・・・と今更考えても仕方ないことを思い浮かべ、目の前にあるテレビ画面を見つめる。
周助は雑誌を手に取り、気遣いなのかわからないが時々テレビ画面に目を向ける。それはあたしにとってあんまり周助はこの時間を楽しんでいないように思えた。いや、絶対そうだ。(雑誌でさえパラパラめくってるだけだしね)
「もしも僕が一分後に死んだらはどうする?」
テレビでは“あなたはいつ死ぬかわからない”という言葉で専門家が熱く語っている。見ていないと思っていたテレビをちゃんと見ていた(聞いていた?)周助はあたしに聞いた。
周助の顔を覗き込むと視線に気づいたのか、雑誌を見るのを止めこっちを向いた。
「悲しむんじゃないかな?」
「かなってなんで疑問形なのかな?」
「そ、そりゃー体験してないんだもん、周助がいないとか想像できないしなー」
と、咄嗟にでた穴埋め理由がこんなものだったけれどよく考えてみればそうだ。
周助がいなくなるとか考えられない。体験なんかしてないし、果たして悲しむのか?なんて心の奥ではわかってる答えをあたしは探す。
「じゃあ僕死んでみようかな」
君が困らないといいけれど
(フフッ...体験してみる?)
「こっ困るよ!死なないでよ!」
「その答え期待してたんだ」
silent star様に提出です。
素敵な企画、参加させていただきありがとうございました*